2021年11月8日(月)、臼杵市が「ユネスコ創造都市ネットワーク(食文化)」(Creative Cities Network-UNESCO)に加盟認定されました!
今年に入って何だか市役所が「ユネスコ、ユネスコ」とやけにアピールしていたので、私も少しずつその内容を勉強し、いつかブログ記事として取り上げようと思っていました。
先週、臼杵市役所産業促進課の方に取材のアポイントが取れ、昨日9日(火)に取材させていただきましたが、まさに電光石火!こんなスピードで認定されるとは夢にも思わず、「相当な時事ネタだなぁ」と私もびっくりです。
そういうわけで、臼杵市民もまだよく分かっていない人が多い「ユネスコ創造都市ネットワーク(食文化)」と加盟認定された臼杵市の今後の可能性、さらに移住検討者にとってのその魅力を2週に渡って紹介&考察していこうと思います。
「ユネスコ創造都市ネットワーク」とは?
多分我々がよく聞くユネスコ関連のものは「ユネスコ世界遺産」ではないでしょうか?
日本では現在21の登録があり、有名なのは広島県の宮島や富士山がありますよね。

その定義を簡単に言うと「地球と人類によって創造されたもので、未来に引き継ぐべきもの」。未来に引き継ぐという観点からその形を保全し、歴史なども語り継がなければいけません。例えば富士山に散らばる膨大なごみはこの点において大問題で、環境破壊が続けば登録を抹消されることも起こりえるのです。
「ユネスコ創造都市ネットワークの認定」にも世界遺産と似たような考え方がありますが、「クリエイティブな都市のネットワーク」と表現しているように、いろいろな分野の物づくりに秀でた都市同士が情報を共有し、将来に向けてその産業を守り、普及し、発展させ、繋げるという特徴的な目的があります。
また加盟認定されるには様々な条件があり、その産業の歴史、市民との関り、地域外に向けての普及や将来的な発展の為の努力など、多岐にわたる項目を審査されます。
臼杵市が認定された「ガストロノミー」分野
では、臼杵市はどのような分野で創造都市ネットワークに加盟認定されたのでしょうか?
創造都市ネットワークには、
①文学
②映画
③音楽
④クラフト&フォークアート(手工芸&民芸品)
⑤デザイン ⑥メディアアート
⑦ガストロノミー
という7分野があるのですが、臼杵市が加盟したのはもちろん⑦のガストロノミー(食文化)です。
私は常々臼杵市のことを「日本のサン・セバスチャン」と勝手に呼んでいますが、ふぐやブリに代表される海の幸、山の幸がこれほど豊かで、しかもその素晴らしい食材を活かしたお料理を庶民価格で食べることができる町はなかなかないと思うのです。

加えて、今回ガストロノミー分野に認定された要因がいくつかあり、その主だったものが
(1)400年以上前に始まった醸造文化(醤油・味噌・酒)
(2)土づくりから始まる有機農業への取り組み
などになります。
それぞれについて、過去に何度か私も旅記事やブログ記事でとりあげたことがあります↓


臼杵市の食文化、現在から未来へ
私が思いつくだけでも臼杵市に根付いている食文化はいくつもあります。
前述した醸造関係であれば、1600年に創業したカニ醤油をはじめ、フンドーキン醤油やフジジン醤油も店頭で商品を計り売りし、市民や観光客も味噌や醤油を買いに訪れます。各家庭御贔屓の蔵があるのが普通なのです。

各社とも地元のお祭りなどの時は「味噌すくい」なる楽しいアトラクションも行いますし、フンドーキンにいたっては驚愕の起業祭を行ったりして地域住民と醸造による繋がりを持っています。(フンドーキンの起業祭記事はコチラ↓)
また、「ほんまもん野菜」もその一つで、臼杵市は2010年に「うすき夢堆肥」という草木8割、豚糞2割を主原料とした、自然の土に近い完熟堆肥を生産する「臼杵土づくりセンター」という施設を開設し、その堆肥を使用して有機農法で作られた農産物を「ほんまもん野菜」としてブランド販売しています。

これはもともと安心安全な食材を学校給食で子供たちに出してあげたい、という想いから始まったプロジェクトで、現在では学校教育の中でこどもたちがこの野菜作りに関して学ぶ場もあったりします。
通年で食べられるフグの食文化や、今に続く「きらすまめし」や「おうはん」といった郷土料理も然り、臼杵市の生産者、飲食業界、市民が個々、点々で活動してきたことがユネスコの創造都市ネットワークで広い面になってきた、という印象です。
これら「臼杵の食文化産業」を、今度は未来や臼杵の外へ向けて普及・発展させていかなければいけません。
移住ブログを書く私としては、「ユネスコ創造都市ネットワーク(食文化)に加盟認定されたことと、移住者がどう絡んでいけるのか?」と考えてしまうのですが、法人でも個人事業主にしてもいろいろチャンスはあると思うのです。
次回のブログでは「移住者と創造都市ネットワークの未来」ということで考察をしてみようと思います。
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