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古民家を大改造した人気カフェ「凡と凛Dining」

臼杵市には私を含め数多くのUターン移住者がいます。

先日は私の整体院のお客さん、Aさん(80代)のお子さん夫婦が定年退職を機に臼杵に帰ってきて一緒に生活を始めた、と嬉しそうに語っていました。高齢になった親御さんを支える目的がメインだと思いますが、市外での生活経験や年齢を経て分かる故郷の良さも移住の理由に当然あることでしょう。


2020年に取材させていただいた人気カフェ「cafe 凡と凛」のオーナーシェフ・佐藤さんもそんなUターン移住組の一人。お互い日々忙しすぎて(←Uターン移住者の特徴)私もゆっくりお話しすることがなかなかできないのですが、1月末に佐藤さんから「2月2日に新しいお店がオープンするからぜひ来てね」と声をかけていただき、早速新店にお邪魔してきました。


南海添地区の古民家をおしゃれにリフォームしてオープンした「凡と凛Dining」。その全貌をレポートします!

暖簾のかかったエントランス
暖簾のその先が気になるエントランス

*2020年に取材させていただいた「cafe凡と凛」の記事はこちらから↓


コンセプトが異なる2つの店舗

2020年に取材させていただいたのは、旧稲葉家下屋敷(以下、下屋敷)にあるカフェ。

文化財のカフェ
文化財の中でスイーツが楽しめる希少カフェ

なぜ別の場所で今回新店舗を作ったかというと、


①座席は外がメインで数に限りがあり、お客さんにもなかなかゆったりしてもらえなかった

②厨房スペースに限界があり、幅広いメニューが思うようにこなせなかった


といくつか理由があったのだそうです。

そういったことを考えて、今回オープンした新店舗と下屋敷の店舗とでコンセプトを変えることに。


下屋敷の「cafe凡と凛」では、ケーキなどのスイーツ類やドリンク類に加え、人気のジェラートや夏にはかき氷もこれまで同様に提供。但し、お食事の提供は無くなります。観光途中で喉を潤したり、ほっこりスイーツタイムを楽しみたいときにおすすめです。

一方、新店舗の「凡と凛Dining」では、カフェで提供するメニューに加え、幅広いお食事メニューが楽しめます。これが「ダイニング」のゆえんです。


では、どんなお食事メニューが楽しめるのか見ていきましょう!


季節限定メニューも通年メニューに仲間入り!

まずはメニューをご覧ください↓

カフェのメニュー
オーダーに迷うが「気まぐれランチ」は要確認!

これまで「カレーライス」や「ホロホロビーフシチュー」は季節限定のメニューでしたが、通年メニューに仲間入り。気まぐれランチはその時々の美味しいものをふんだんに使ったメニューになるそうです。ちなみに取材時はパスタでした。

パスタとサラダのセット
佐藤さんの実家でもあるお寺で使われていたお膳で提供されるお料理

まさに八百屋さんに出始めたばかりの菜の花や、今が旬のイカがてんこ盛りになった春薫るパスタ。

菜の花のパスタ
菜の花のほんのりした苦みとピンクペッパーで大人パスタに

そして、彩り豊かなサラダはどれも歯ごたえが良く濃い味。ほんまもん野菜を中心に厳選しているそうです。このサラダにかかっているバーニャカウダのドレッシングもアンチョビ&ガーリックが効いて、お野菜もバクバクすすみます。

野菜サラダ
濃い味ベジで臼杵の野菜を満喫してほしい

食欲がのってきたのでスイーツセットもいただくことに。

ケーキとコーヒーのセット
コーヒーは希望によってカプチーノなどにアレンジしてくれる

今回はお店のある海添地区で栽培された無農薬レモンを使用したレモンタルトとコーヒーをいただきました。

無農薬のレモンタルト
レモン薫る爽やかなデザート

シロップ漬けにしたレモンが美味しい!そしてレモンの風味と酸味を存分に味わえる甘すぎないタルトで、花粉症でぼんやりした頭までスッキリ!今の季節におすすめです。

その他ケーキやタルト類は自家製や地元産の果物を中心に作っているそうなので、季節感と地元感を十分に楽しめるスイーツタイムになりそうです。

季節のフルーツタルト
ショーケースには色とりどりのスイーツが

メニューにはありませんが、夏にはパフェも登場予定。ジェラートを使用したものになるらしいのでこちらも乞うご期待です。


お店ではまずレジでオーダーを入れてお支払い。お料理はテーブルに運ばれてきますが、お水やお手拭きはカウンターでセルフとなります。


大胆に改装された古民家

お料理やスイーツと共に楽しんでいただきたいのが、大胆に改装されたその建物です。施工は臼杵市でも古民家再生に定評のある現代建築さんが行いました。


外観は完全に民家なのですが、暖簾をくぐると一気にカフェ空間が広がります。

古民家をリフォームしたカフェ店内
店内には南からの陽光が燦燦と入ってきます

なんと靴を脱いで上がる2階席があり、取材時にはまだよちよち歩きのお子さんを連れたママ友同士がお食事をされていました。

吹き抜けが素敵なカフェ
眺めの良い二階席は小さいお子さんもハイハイできて楽しめます

一方1階席は屋内とテラスで約30席。四季移り変わるお庭の景色を楽しめる、ゆったりとした椅子席です。

ジブリのような洋館
ジブリ的洋館が隣にあるテラス席

現代建築さんの意匠が至るところに垣間見えて、建物見学という点でも楽しめます。特に私が好きなところは床。

今回心を奪われた美しい仕上げの床

炭を混ぜたモルタル施工だそうで、微妙な色の違いが美しいです。またその床にはめた真鍮の金色のラインが映える!ベージュ色のタイルのはめ方もダイヤ型にすると一気にレトロな雰囲気になります。


また、カウンター席のテーブルも素敵です。

ガラストップで欄間を楽しめる素敵なカウンター席

欄間の板をそのままデザインとして再利用したものです。古い家を解体するとき、あまり深く考えず梁や建具を処分してしまう人がいるそうですが、古い家こそかなりのお宝があります。100年以上の古民家の梁など大きなものは販売できますし、デザインの細かい建具やゆらゆらガラスは現在作る人が少ないのでかなり希少で高価です。古民家リフォームするときはこういったものはどんどん再利用したいものです。


縁あるお庭

佐藤さんにとってこのお店の特別な価値、それはお庭です。

鎮南山近辺から運んだという岩の数々

南海添で生まれ育った佐藤さん。彼女のお父さんは造園家だったそうで、この南海添の古民家のお庭もお父さんが作ったもの。佐藤さんが引っ越してきた当初はジャングルのように雑草が生い茂っていたそうですが、数年かけてお庭を綺麗にし、今回のリフォームでテラス席も設置。仕事しながらお父さんの思い出のお庭を眺められる素敵なお店になりました。


ワンちゃんOKのこのテラス席。ワンちゃんとの来店はお庭にあるペット同伴専用エントランスを利用してくださいね。

ワンちゃんと一緒にカフェタイム

ペット同伴ゲスト専用エントランスは駐車場前にあります

夢が広がる古民家再生

移住者にとって古民家や空き家は、住居や店舗利用における選択肢の一つ。新築より間違いなく安く済みますし、リフォームする際は規格住宅と比べ間取りの自由度も広がります。

土地勘がない場合は、まずは賃貸生活をしてみるのもおすすめです。実際臼杵に住みながら自分たちにとって住みやすい地区はどこなのか体感し、中古物件を見つけるのも一つの方法かなと思います。


古民家再生のアイデアの一つとして、「凡と凛ダイニング」を訪れてみてはいかがでしょうか。


【凡と凛Dining】

住所:大分県臼杵市海添172-10

TEL:0972-77-5534

営業時間:9:30-17:00

定休日:水曜、木曜


*下屋敷の「cafe凡と凛」は休業中ですが、3/9に再オープン予定です


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