臼杵には「おいさん」という種類のおじさんがいます。臼杵で移住活動をすると、この「おいさん」にたくさん遭遇し、お世話になったり笑わされたりすることも多いと思いますので、今回は「臼杵のおいさん」をフィーチャーしてみようと思います。
これは全く私個人の印象と見解ですが、臼杵のおじさん(基本40代以上)には3種類いると考えています。
ちなみに「おばさん」にはこんなに種類はありません。
【おじさん】=プレミアムランク
誰が見てもちょっと上品。特に女性に対してデリカシーのないことは絶対に言わないし、むしろ気の利いたことが言える。小学生の女の子の間で「○○ちゃんのお父さん、凄くいいよね。」と話題になる感じの男性。標準語で会話を最後まで続けることができる。臼杵市の私の周辺ではかなり稀な存在。
【おいさん】=Bランク
見知らぬ人には最初標準語で会話を始めるも、話すうちに次第に臼杵弁になってしまう。
心では「こんなこと言ってはいけない」と思いつつも、笑いをとるためについつい余計なことを口走ってたまに女性をイラつかせる。しかし悪気はない為、最後は女性の方も笑ってしまうという好ポジション。近所の人に「あん(=あの)おいさんは・・」と笑い話でいつもネタにされる。映画「釣りバカ」シリーズのハマちゃんのような感じ。臼杵市の40歳以上の男性はこの「おいさん」率が一番高いと思われる。
【おっさん】=最下層
町でもちょっと困った存在。「あんおいさんはわりぃで(=悪いよ)なぁ。」というときは大体笑いのネタなので笑顔なのに対し「あんおっさんはわりぃでなぁ。」という時はちょっと眉間にシワが寄り、声のボリュームも落ちる。私が子供の時は「あんおっさん」と呼ばれる人は概ね酔っ払いだったが、最近周りで見ることはなく、臼杵市でも稀有な存在になってきたと思われる。
県外から臼杵市に移住してくる方は、まずその存在率の高さからBランクの「おいさん」に遭遇し、時折戸惑うこともあるかもしれません。特に早朝や夕方~夜に、キラキラタスキをかけて臼杵川周辺(写真)を健康の為に闊歩するおいさんが多く見られます。
彼らはかなり方言が強いのにも関わらず
「ワシの言葉は上品やけん誰が聞いてん分かるんで。ほとんど標準語で。」
などと言い張るので県外の人は最初全く手に負えないでしょう。
臼杵が地元の私でさえも時折驚くのが、おいさんとの電話での会話です。
私の実家は臼杵市中心部にある洋食屋で、帰省した際はフロア、厨房、配達電話の対応などいろいろします。
この夏の帰省で驚いたのが、お客様からの電話。
「ハイ、○○です!」
と応対すると電話の向こうの常連と思われるお客様は、開口一番
「アンタ誰な?」
の一言。
「・・えーっと、えーっと・・このウチの長女です。」
と久々の臼杵のおいさんの不意打ちに戸惑いながら真面目に答えると
「あー、帰省しちょんのな(=帰省してるんだね)。今日な、6時くらいにいつもの持っちきちくれん(=持ってきてください)。」
とのこと。どうも私が日ごろは県外にいることを知っているかなりの常連さんと思われたのですが、私は分からず、
「・・えーっと、どちらさまでお料理はいつも何を頼んでますか?」
と聞くと
「板井じゃあ(←臼杵市には板井姓多数なので結局誰か分からず)。父ちゃんおらんのな?ちょっと代わっちくれん(=代わってください)。」
と応対10秒でお役御免。臼杵のおいさんの展開は早いし容赦なし。
また臼杵のおいさん相手だとこちらが客であっても油断なりません。
移住物件を探し始めた当初、ある不動産屋さんに電話をかけました。
私:「すみません、この○○という物件はまだ空いてますか?」
不動産屋:「あー、それもう借り手がついたんですよ。他に興味があるのはなかったですか?」
私:「えーっとですね、探しているのは・・」
不動産屋:「はい」
私:「お店もできて住居にもなる店舗併用住宅なんです。」
不動産屋:「えぇ、はい。」
私:「それで仕事は整体と雑貨屋で・・」
不動産屋:「えぇ、うん」
私:「家賃は○○円内で・・」
不動産屋:「うん。」
私:「広さは○○くらいで・・」
不動産屋:「はー、そりゃ結構難しいで。今そげん(=そんな)物件は見当たらんなぁ。」
という具合に最初の3往復位までは標準語を保っていたのですが、段々受け答えが「うん」になって最後は完全に臼杵弁になりました。「アンタ誰な?」のおいさんに比べたら「お客さん相手」をしている努力は垣間見えます。
大体臼杵に長年住み続けたおいさんはお客さん対応を頑張るのですが標準語が長続きしません。移住で他県からやってきた人はビックリすることがあるかもしれませんが、そういうおいさんに出会ったら「この人、何秒標準語が続くか」と違う角度から臼杵のおいさんウォッチを楽しんでいただけたらと思います。
そしてこのおいさんたち、仲良くなるとビックリするほど世話を焼いてくれます。「○○で困ってる」という相談をすればどこからともなく役立つ人を連れてきたりするのです。
私の実家の近所のおいさんも、昔私が東京に帰る時に大分の空港行バス乗り場まで車で送ってもらいました(その時代は臼杵まで空港バスがきていませんでした)。ところがそのバスに少し間に合わずに次の乗り場まで送ってもらおうと思ったのですが、「あーもうめんどくせぇ。空港まで送っちゃる!」と高速道路で1時間以上もかけて送ってくれたのです。
首都圏でドライな生活をしている人には、これまたいい意味での驚きになることでしょう。
日ごろは言わなきゃいいことまで喋ってみんなに怒られたり笑われたりしているのですが、こんな粋な優しさを持っているのが臼杵市のおいさん。ぜひ移住活動中から気の合うおいさん探しをしてみてください。
写真は「せめて『おいさん』ランクでいて欲しい」と切に願う私の父Y雄・73歳。
さて、12月の臼杵市の移住イベントのお知らせです。今月は大阪と東京で同日開催!
今回のチーム臼杵市のテーマは、有機農業に従事する「地域おこし協力隊」の募集で、就農して健康的な田舎暮らしを楽しみたい、という方には必見の内容。
農業ゼロ経験でもこの「地域おこし協力隊(有機農業)」に所属すると生活に十分な収入を確保しながら有機栽培をゼロから学ぶことができるのです!市役所の方に確認しましたが、就農の不安を払しょくする内容です。興味のある方はぜひ下記の会場へお出かけください。
尚、有機農業に興味が無くて、単に「地方移住についての話を聞いてみたい」という方にも対応できる職員が参加予定だそうです。うすき暮らしの色々な疑問をぶつけてみてはいかがでしょうか。
【おおいた暮らし塾in東京】
【開催日】 平成30年12月8日(土) 12:30~16:30(受付12:00~) 【場 所】 移住・交流情報ガーデン(東京都中央区京橋1丁目1-6 越前屋ビル)
<お問合せ・お申し込み> おおいた暮らし相談窓口(NPOふるさと回帰支援センター内) TEL: 080-7731-8944 E-mail: oita@furusatokaiki.net
【おおいた暮らし塾in大阪】
【開催日】 平成30年12月8日(土) 13:00~16:00(受付12:30~) 【場 所】 ヒルトンプラザウエスト オフィスタワー8階 A+B会議室 (大阪市北区梅田2丁目2番2号)
<お問合せ・お申し込み>
大分県大阪事務所 〒530-0001 大阪市北区梅田1丁目1番3-2100 メールでのお問い合わせはpu1010205@pref.oita.jp おおいた暮らし塾in大阪のホームページ http://iju-oita-kansai.jp/ からもお申込頂けます。 *当日のお問合せは携帯電話:090-1959-2332へご連絡ください。 (12月8日(土)12時~16時のみ使用できます。通常のお問合せは大分県大阪事務所電話番号またはメールへご連絡ください)
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