「過疎化の町だから待機なんてあるわけない」。
今回のブログタイトルを見てそう思った方も少なくないと思います。でも、過疎化=待機ゼロかというとそういうわけでもありません。
例えば2011年の東日本大震災の結果、津波を恐れて自宅を高台に、と考えている方は臼杵にも多くいらっしゃいます。高台近隣の小中学校やこども園等が急に混みあってくるということが、2011年以降各地でも起きたと思います。実際、高台にある市浜小学校や西中学校の生徒数は、現在臼杵市では最多となっています。
お隣の大分市では、開発等に伴っていくつかのエリアで人口が急増し、待機児童が発生した事例もありますが、臼杵市では今まで待機児童はゼロ! そんな環境や子育て支援に魅力を感じている親御さんが多いのか、大分市からの子連れ移住者も少なくない臼杵市。その魅力の一つである子供を預ける現場を2か所取材してきました。
今回はその一つ、幼保連携型認定こども園「海辺こども園」をご紹介いたします。
こども園・保育所を選ぶ際の優先順位は?
現在臼杵市の認可保育所、認定こども園は11カ所あります。今回ご紹介する海辺こども園は私立で、市内にある臼杵中央こども園も運営しています。
私の4人の姪や甥は臼杵中央こども園に通い、来年の3月に末娘が卒園。義妹はトータル13年のお付き合いとなりました。それは凄い年月ですが、これを可能にしたのはやはりその距離感。徒歩5分の距離にあるので、何かあればすぐにお迎えに行くことができます。
そう、我が家の園選びの優先順位は「利便性」と言ってもよいでしょう。
「どうせ近くに通えないなら、カリキュラムやアクティビティーを重視して園選びをしよう」。
混雑しているエリアでこども園探しをする親御さんはこのように考えている方が多いかもしれません。私が以前住んでいた埼玉県の保護者の多くもそうでしたし、小学校のお受験も考えて遠くの園に車で送迎する親御さんもいらっしゃいました。
小学校受験など皆無の臼杵市では、私が知っている保護者の方の多くの優先順位は
① 利便性(自宅や職場から園までの距離)
② 園のルール
③ どんなアクティビティーをしているのか?(要は楽しそうか?)
と、いい意味で凄くのんびりした印象を受けます。
都会(私にとっては大分市ももはや大都会!)から田舎に移住してくる方には、是非こののんびり感も満喫していただきたいと思います。自宅近所の園を選べば、お子さんとコミュニケーションをとる時間も増えると思いますし、朝からドタバタすることも少ないでしょう。
また、今回紹介する海辺こども園では、カリキュラムや保育内容を重視し選んだ結果として、園から少し離れていても自家用車で通園している園児が多いのも特徴の一つです。
それぞれのご家庭で何を優先させるのか?待機児童の多い都会とは違い、幅広い選択肢の中で子供の教育環境を選ぶことができるのも、臼杵での子育ての良い点と言えるのかもしれません。
では、実際に海辺こども園がどんなところなのか、園が「大切にしているポイント」を3つ挙げて見ていきましょう。
海辺こども園の大切ポイントその1 「地産地消の手作り給食」
今回の取材で園長さんに園の特徴をおうかがいした際に、最初に挙がったのが「給食」。
海辺も中央も各園に給食室があり、手作り給食を提供しています。面白いのは、その材料をなるべく地域の生産者さんから直接買い取っていること。例えば、お魚に関しては臼杵市の漁師さんから直接買い付けている徹底ぶりなのです。野菜など農産物も可能な限り臼杵が力を入れている安心安全の「ほんまもん野菜」を取り入れているそうで、かなり贅沢な素材選びといえます。
中央に通っている私の姪は、家ではかなりの少食。心配して一度先生にこども園での食事量を聞いた事があったのですが、お替りするほどの食べっぷりだというのです。多分昼に食べすぎ、おやつも食べて家で少食になっているのかもしれません。いずれにしろ好き嫌いも激しい姪がこども園ではお替りしているというのですから、かなり美味しいのでしょう。
私もつい最近知ったのですが、移住者パン屋さん「ウエムラブレッド」さんが海辺と中央に玄米入りプチパンを時折納品しているのです。遠くてなかなか買いに行けない私のお気に入りのパン屋さん。園児たちが羨ましい。
地域の生産者さんや開業者さんとタッグを組んで提供する給食は、食育の観点からも魅力です。
海辺こども園の大切ポイントその2 「地域の方とのアクティビティー」
海辺と中央こども園では、地域の方との関りを重視したアクティビティーが多いのも特徴の一つ。対象年齢がありますが、以下のような活動が挙げられます;
① 老人クラブとの運動会(コロナ前)
② 小学生の保育士体験を通じて行う交流
③ 地域の書道教室による書き方教室
④ 大分のサッカークラブ・トリニータ(ジュニア)のコーチによるサッカー教室&ボール遊び
その他にもリトミックやネイティブ教師による英会話など、多彩なアクティビティーでこどもたちを楽しませてくれます。
姪が通う中央こども園で私が一番好きなイベントが「駅伝大会」です。
中央通り商店街である八町大路を封鎖して、こどもたちがタスキを渡しながら全力で走る冬の風物詩。
寒さや息切れで泣き出すこどもたちと、その頑張りを感動の涙で応援する大勢の大人たち。
初めて見たときは、
「みんな泣いてる・・」
とかなり驚きましたが、翌年からは私もその一員に。地域の人と園児たちが想像以上に一体となる秀逸イベントだと思います。その詳細は以前書いたブログ記事からどうぞ↓
海辺こども園の大切ポイントその3「ウスキッズ」
70年以上の長い歴史を持つ海辺こども園。こども園の運営の他、臼杵市子育て支援拠点「ウスキッズ」の運営も行っており、これから未就学の子連れ移住を検討中の方には是非見学していただきたい場所になります。
例えば、「子育ての相談をしたい」「子育てイベントに参加したい」「転入して臼杵にママ・パパ友がいないので、子育て仲間を作りたい」「こども園探しの参考にしたい」など、お子さんを介してお友達を作ったり、子育てで困った時の最初の相談場所としての関係を築くきっかけ作りになっているようです。
イベント内容はかなり多彩で、2022年9月はお医者さんを招いての座談会、というイベントも。パパを主体にした会だったそうですが、ネットで得た知識が本当に正しいのか、などかなり盛り上がったそうです。
ウスキッズの参加は誰でもOK。予約が要らないイベントもたくさんあり、「来やすさ」を重視しています。年齢対象としたイベントが多いので、同世代どうしのコミュニケーションをとる場所として活用している方も多いとか。
イベントカレンダーは市の広報(サイトページ有)、市役所、図書館、産婦人科などで手に入れることができます。
子連れ移住検討者は11月の移住セミナーに参加を!
今回ご紹介した海辺・中央こども園に加え、他の施設にも地域子育て支援拠点があります(詳細は下記の関連サイトを参考に)。ご自宅の近所、昔自分が通っていた園、移住の伴うこども園探しの参考になど、いろいろな観点で施設を見学してみてくださいね。
また、臼杵市役所が主催する11月のオンライン移住セミナーはまさに「子育てx移住」。今回紹介した子育て支援拠点など、子育て環境の詳細がテーマだということです。
11/18(金)19:00-21:00で開催されるので、ご都合が合いそうな方は、関連サイトのリンクから詳細をご確認ください。
【関連サイト】
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