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4年ぶりに開催!「2023臼杵祇園祭」(後編)

更新日:2023年8月11日

前回は4年ぶりに開催されて大興奮だった2023年の臼杵祇園祭の渡御までをレポートしました。前編はコチラ↓


今回はその続き「後編」です。


各町内会が用意する子どものご褒美

八坂神社から海添地区にある御旅所まで、御輿行列や子ども山車である纏(まとい)車、当番町の踊山が進んで渡御が終了すると、参加者は疲労と猛暑の中、先ほど来た道を徒歩で戻ります。

私のカメラも高温で調子が悪くなるほどの猛暑だったので、夕方4時台のこの徒歩での帰還も過酷な時間となりました。

3歳の甥、6歳の姪が乗り、9歳と12歳の姪と甥が曳いた纏車

この行程は私が子どもだったころも同様なのですが、それでも町八町の子どもたちが猛暑の中参加するのは、各町に戻った後の冷んやりスイーツご褒美が貰えるのも理由の一つ。40数年前

「仲松のかき氷が貰えるから行ってきよ!」

と母に言われると、文句なく参加したものです。

2019年にイベントで復活した仲松のかき氷。涙が出るほどの美味しさ

当時の価格でどのシロップでも350円。練乳をかけたら30円増しだったように思いますが、小学生の子供のお小遣いではまあまあの価格だった為、私は滅多に食べることができませんでした。祭りでは参加するとタダで食べられたので、不参加という選択肢は無かったのです。


現在仲松商店は無くなったため、私の実家のある唐人町では「喫茶ふしみや」のかき氷が今年のご褒美でした。私の姪や甥はフラフラになりながらふしみやさんに辿り着き、どのシロップにしようか相当悩んで、家に持ち帰り、クーラーの効いた部屋でバクバク食べていましたが、この光景が40年前と何ら変わっていないことにちょっと感動さえ覚えてしまいました。


おそらく他の七町もそれぞれのお楽しみを用意しているはずなので、子連れ移住の方には是非参加していただきたいお祭りです。八町に住まなくても、縁者がいて保護者が同伴すれば参加できると思います。参加には申請が必要なので、縁者の方にご確認ください。


御旅所の柴引と粟おこし

祇園祭が行われる7日間は、神様が滞在中の御旅所で神楽や舞の奉納が行われています。中でも柴引は見物客もある意味参加できるもので、昔から子どもたちも集まる人気の神楽です。

北海添にある御旅所

神様が榊を引き抜く様子を演じているのですが、ネットで検索すると高千穂地方のお神楽のようです。臼杵では八坂神社の他に福良天満宮という神社がありますが、そちらの夏季大祭でも宮崎県のお神楽を観ることができます。やはり神様降臨の地・高千穂。臼杵ではそちらの流れのお神楽が盛んなようです。

神楽殿では多種多様な神楽や舞を観ることができる

Uターン移住してからスケジュールの都合でまだこの柴引を観ていないのですが、現在はどんな状況なのでしょう?


昔はそれはそれは激しいお神楽でした。

いたずら好きの小学校高学年~中学生くらいの男子が榊で神様を挑発し、怒り狂った神様がその子どもたちを約200メートル先のJRの線路まで猛ダッシュで追いかけ、奪った榊でしばき倒していました。

神様をそれほど怒らせる子どももイマドキいないでしょうし、子どもをしばき倒す神様ももはやいないでしょうから、懐かしくも恐ろしい昭和の思い出です。来年こそは現代の柴引がどうなっているのか観に行こうと思います。


同じく御旅所で行われるのが「鳩くじ」。お金を払うとくじが引けて、はずれ無しでいろいろな賞品が当たります。子どもの時はもちろん1等賞を狙ってくじ引きをしていましたが、毎回ハズレの「粟おこし」。


この粟おこし、紙包装で時間が経つと湿気てきてベトベトするのです。味は臼杵を代表する煎餅の流れなのか、生姜風味が効いていて胡麻も混ぜられていたような気がします。子どもには本当に微妙な食べ物で、私はむしろ苦手なお菓子でしたが、大人たちはなぜか大ハマリ。


今大人になった私はこの粟おこしをどう感じるのか?

「むしろハズレの粟おこしが欲しい」

という想いで鳩くじを引きに御旅所に行きました。


気合いを入れてハズレを引きに行ったのですが、今年はまだコロナ対策ということでくじ引きは無く「粟おこしを買う」だけでした。

しかし、購入したそれは包装も味も大変化!全く別物になっていたのです。

包装が変わり、もはや湿気ない粟おこしに変貌を遂げる

味もピリリとした生姜感は緩められ、いつ食べてもサクサク。胡麻も見受けられません。淡い甘さで誰でも食べることが出来そうです。

独特な要素が抜けてしまった粟おこし。。。それも昔懐かしい思い出となってしまいました。残念。

粒ももう少し大きかったような・・果たして思い出違いか?

「還御」の見どころ

祭りの最終日は午後の御旅所出発に始まります。毛槍、吹き流し、御神輿など、渡御のような流れで八坂神社に帰ってきますが、唯一違うのが辻ロータリーで御神輿と踊山の競演がある点。3基の御神輿が大きく揺れながら踊山のお囃子が鳴り響く大興奮の時間で、還御最大の見どころと言えます。


今年の還御も炎天下で行われたため、特に御神輿参加の人たちは目に見えて疲労困憊。普段はパワー溢れる保存会と土建業の第三御輿の参加者も力を振り絞って最後の見せ場を盛り上げていました。

御輿と踊山が向かい合ってデイタイム・カオス!

行列と御神輿は競演が終わると八坂神社へ帰っていきます。この時、臼杵城址を背後にして戻っていくため、大門櫓を背景に置いた行列撮影がおすすめです。

大門櫓の復元は大正解!画になる1枚が撮れる

最後は本殿へ神輿を運び入れて終わりですが、踊山参加者は夜の曳込に備える為、約1時間の休憩に入ります。倒れてしまうようなハードな1日です。


「曳込」の見どころ

日が暮れると、最後の踊山の見せ場「曳込」が始まります。各踊山が港町商店街と中央通り商店街から出てくるのですが、またその狭い商店街を潜り抜けるところが魅力でもあります。

町並み保存の中心でもある中央通り商店街を踊山が抜ける様子は必見

最後は辻のロータリーで出会い。8時半前後に2回、花火を鳴らしすれ違います。

臼杵城址から花火が上がったら一斉に曳き始める!

私は最後に踊山が向き合って打ち合いを行う所を写真におさめようと思いましたが、人混みが凄すぎて中央に入りすぎてしまいました。

カメラの枠に入りきれず本当に難しい撮影となりましたが、ど真ん中に入ってしまい迫力だけは体感できたので、その様子をおすそ分けです。動画は私のインスタアカウントからどうぞ↓



観る、体感する、撮影する「べスポジ」

還御の翌日、当番町の一つ、実家のある唐人町の「幕洗い」に参加しました。これもまた40年ぶりくらいの参加でした。懐かしい顔も多く、3代前の法被を着て参加しているお米屋のおじちゃんも発見。今となっては重たくて暑くて着ることができない昔の法被も貴重です。

時代物の法被。ゆくゆくは臼杵市歴史資料館に展示されるかも!?

幕洗いは簡単に言うと祭りの打ち上げで、皆で参加者の労をねぎらいます。幕洗い後には提灯を持って町内を回り、締めの手打ちをして当番町の祭りは終了、となります。


今回私は「撮影」という観点でベストポジションを探しまくっていたのですが、今年掴んだベスポジで撮影実践できるのはまた次回。来年こそはカメラを調整して効率よく撮影できそうです。


移住してこられる皆さんは、参加する、観る、撮影する、と色々なポジションでこのお祭りを楽しんでください。毎年新しい発見と共にご家族と楽しい思い出を作ることができると思います。


最後に、今年の臼杵祇園祭に表舞台で、裏舞台で参加され盛り上げてくださった皆さんに感謝申し上げます。楽しい夏の思い出をありがとうございました!

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