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臼杵への更なるインバウンド層を求めて、新観光事業「USUKI VENUE」

11月中旬のお話になりますが、面白い企画に招待していただきました。

これまでにはなかった臼杵の観光事業の試み「USUKI VENUE」です。


私もホームステイのような感じですが一応民泊をしており、臼杵市観光協会の発行で臼杵市のガイドマップの制作にも参加していますので、臼杵の観光事業にはいろいろと興味を持っています。


臼杵市は観光業に関しては伸びしろたっぷり。

「地方移住後には観光関連の仕事に携りたい!」

と考えている人必見です。

USUKI VENUEの会場となった旧臼杵藩主稲葉家下屋敷

「臼杵市観光業の伸びしろ」とは?

以前にも臼杵市の観光業について少し触れたことがありますが、この町には城マニア垂涎の臼杵城跡をはじめとする歴史の数々や風情ある町並みがある割には、年間を通しての観光客がまだ少ない状況です。外国の方に出くわすと「かなりツウな旅人だな」と私も思ってしまうほど、観光におけるこの町の認知度はまだまだなのです。しかし日本人でも外国人でも

「とっても雰囲気があっていい町ねぇ。人が少なくて(!)ゆっくり町ブラできていいわぁ」

とビミョーながらも嬉しい感想をよく聞きます。


通年の観光客数がまだ少ないので、ネタはあれども町並みに合うような宿泊施設(ゲストハウスや民泊)、町歩きをしながらのグルメ、さらに臼杵観光に来た際のお土産店も不足している状況なのです。


移住後観光関連の仕事に携りたい人にとっていろいろチャレンジできる面白い町だと、私は常々思っているのです。


臼杵市の新観光事業「USUKI VENUE」とは?

そんな臼杵市に登場したのが、臼杵市観光協会や臼杵市の産業観光課が主体となって取り組む新観光事業「USUKI VENUE(ウスキヴェニュー)」です。ヴェニューというのは英語で「イベントなどを行う会場」という意味。

臼杵を代表する国登録文化財「旧臼杵藩主稲葉家下屋敷」で、各分野で活躍している市民(ほんまもん観光人)と行うパーティー形式の交流会を商品化するものです。

「ほんまもん観光人」が載るウスキヴェニューのパンフレット

この日もお寺の住職や料亭の女将の方々などたくさんのほんまもん観光人が、臼杵市内外からのゲスト(旅行会社の方々など)と交流を行いました。


どのような形でゲストの方々がほんまもん観光人を通じて臼杵を体感したか、ウスキヴェニューの詳細を見ていきたいと思います。


旧臼杵藩主稲葉家下屋敷で貴重な体験を!その1:食事「USAMI」のケータリング

旧臼杵藩主稲葉家下屋敷(以下、下屋敷)は、明治の廃藩置県で東京に移住した旧藩主・稲葉家が帰郷する際の家として建築された、いわゆる「別荘」です。明治35年築ですが建築スタイルは武家屋敷で、現在は国の登録文化財。建物もさることながら日本庭園が素敵で、地元の写真館などでは結婚記念アルバムや成人式の前撮りなどで使用されることが多々あります。ちなみに臼杵市民は身分証の提示により無料で入館できます。


通常、館内や庭園では飲食ができないため、ここで個人的なパーティーをすることなど不可能なのですが、今回のウスキヴェニューではその通常できないことができる貴重な場になるわけです。

日本庭園でのパーティーにはやはり着物が合う

今回のパーティーで提供されたのは、国宝臼杵石仏のある深田地区にお店を持つ「USAMI」のケータリング。臼杵市が力を注ぐ減農薬野菜「ほんまもん野菜」や地魚などを使用したお料理の数々は圧巻の美しさです。以前から味わってみたかったUSAMIのバスクチーズケーキをはじめとするスイーツ類は濃厚なのに後口さっぱりの絶品揃いでした。

2周してしまったスイーツコーナー

また、プレートなどには臼杵焼も使用されていました。USAMIの代表とUSUKIYAKI研究所の代表はご夫婦で、お二人で作り上げるケータリングはまさに絵画のよう。


100年以上前に作られたこの庭園で味わうお料理と地酒。まさに臼杵の食を通じての交流の場となります。

木樽の爽やかな芳香も楽しめた、久家本店の代表銘柄「一の井手」

旧臼杵藩主稲葉家下屋敷で貴重な体験を!その2:郷土の祭りを体感

臼杵市長の乾杯挨拶の前には平清水赤獅子連の獅子舞が披露されました。

この獅子舞は平清水にある福良天満宮の臼杵天神夏祭(7月開催)の際に奉納される伝統の舞で、私と同席していたALTの外国人教師たちは「頭を嚙まれたい!」と大興奮。

獅子舞の縁起を理解し頭を差し出すALTのアナちゃん

また、パーティーのクライマックスには臼杵祇園祭(7月開催)の今年の当番町、唐人町と横町のお囃子を聞くことに!


1年に2回もこの音を聞けるなんて思ってもなかったので、私も興奮してしまいました。

ALTの先生たちが「凄く良かった。祇園祭のある夏にまた来たい!」と言っていたので、祭りの興奮する感じはほかのゲストの方々にも伝わったのではないでしょうか?


パーティー前には町も楽しむ

ウスキヴェニューの前後には当然臼杵の町自体を楽しむ時間も作ってもらうことになります。今回私が参加したグループは、見星寺で座禅体験を行いました。


静かな時間の中で住職のお話を伺い、瞑想を行います。私はてっきり姿勢が悪かったりしたら棒でしばかれると思っていたのですがそんなことはなく、とにかく自分を無の境地に持っていく修行のようです。

初めての私にはできませんでしたが、一緒のグループにいた、市内でネパール料理店を営むバラットさん(通称バラちゃん)は経験があるようで、とにかく様になっていました。

驚くべき早さでスッと瞑想に入り込んだバラちゃん

また、見星寺の「宝」も二つ見せていただきました。

一つは竹工芸家の人間国宝・生野祥雲斎が制作した茶室の網代天井。竹を編み込んだ圧巻のデザインとその技術は必見です。

細かくびっしり編まれた竹の網代天井

もう一つは16世紀に日本におけるキリスト教の聖地ともいえた臼杵市を代表する遺物、マリア像。

キリシタン大名・大友宗麟に庇護されたキリスト教は臼杵市で大きく広がり、ノビシャドと呼ばれる修道士養成所も作られたほどでした。

しかしその後の禁教令で迫害を受け、一見観音像に見えるこのマリア像は川に沈められたのですが、その後この寺の住職に引き揚げられ、寺内に安置されました。宗教を超えて人々の信仰を尊重する姿に、戦争の多い現代考えさせられるものがあります。

静かに佇むお寺のマリア像

ちなみにこちらのお寺の御朱印にはこのマリア像を描いたものもあり、御朱印集めをしている方には特にレアな御朱印になると思います。


映え写真はもちろん着物で!

今回のウスキヴェニューには、私もALTの先生たちと着物で参加しました。

レンタル着物は江戸時代創業のきもの屋さん「赤穂屋」さんで。開店から閉店までの間であれば、時間制限なく着用できます。

最近は便利着付けグッズもあり、それほど苦しくない

草履やバッグなど一式をレンタルし着付けもしてもらえて4000円位なので、通常の観光でも利用したいですね。

着物で撮影したいスポット多数の臼杵市内

ウスキヴェニュー終了時はすでに日も暮れて真っ暗でしたが、帰り道はその2週間前に行われた「うすき竹宵」のオブジェがスタッフとともにお見送り。「竹宵の開催日を知らず見損ねた」と言っていたALTの先生たちも雰囲気を味わえて大満足のようでした。


完成版ウスキヴェニューをお楽しみに

今回はお披露目とテストのような形で開催されたウスキヴェニュー。しっかりとした商品に仕上げるため、モニター参加した方などに意見も聞き、さらに磨きをかけられると思います。

少し見ていただいてお分かりのように、この商品を利用する方はおそらく団体客で、パーティーだけではなく当然臼杵の町自体も楽しまれることになると思います。


これまでになかった客層を呼び楽しんでいただくため、ぜひたくさんの観光関連の仕事が臼杵に増えてほしいと思っています。地方移住後に観光業に携りたい方は臼杵市も候補地に入れ、下見でその伸びしろを探ってみてはいかがでしょうか?


【USUKI VENUE問い合わせ先】

臼杵市観光協会 TEL:0972-64-7130

*現在USUKI VENUEのサイトページは制作中

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