障がい者支援施設と雑貨屋のコラボ
- 藤谷 愛
- 6 日前
- 読了時間: 6分
2019年にUターン移住してから、私はそれまでネット販売しかしていなかった雑貨屋の実店舗を持つことができるようになりました。特にこの1月に移転した建物は広く、それまでは4人入ってギュウギュウだった雑貨エリアが、8人入っても余裕のスペースとなったのです。
私が海外で一つ一つ選んで買い付けてきた雑貨に囲まれ、とても幸せな思いをしています。
そんな雑貨屋で2026年大きなプロジェクトを一つ始めることになりました。
長年「こういうことをやってみたい」と思っていたことと、雑貨でコラボできることになったのです。
今日は少し私事も含まれますが、興味ある人も多いのでは?と思い記事にすることにしました。「障がい者の自立支援x雑貨」。趣味と社会貢献を繋げるお仕事レポートです。

小学生の時の障がい者との繋がり体験
突然ですが、私の下の名前は「愛(あい)」といいます。
小学生の時に同じ名前の友人「愛ちゃん」がいたのですが、彼女は障がいを持つ女の子でした。同じ名前だったからなのかどうなのかは分かりませんが、「愛&愛」は小学校6年間同じクラスで、卒業と同時に彼女が臼杵市の特別支援学校に行くまで一緒の教室で過ごしました。
「愛ちゃんは5歳くらいで病気になって知的障がいがあるので、みんなでサポートしましょう」(←正確にはどのような言葉だったか覚えていませんが・・)と小学校当時の先生から言われたのですが、私たちと同様に遊んだりお互いをからかいあったり、特に低学年の時は普通に過ごしていたように思います。
そういった経験があったからなのか「障がい者に対して私ができることは?」とよく考えるのですが、一言で表すとそれは「自立支援」をどうサポートできるか?ということになります。
埼玉で出会った驚愕のアート作品
2010年から2019年1月まで住んでいた埼玉県狭山市。その隣町の川越市は私のお気に入りの町で、週1で買い物や散策に出かけていました。ぶらぶら町を歩いていて、たまたま見つけたのが自閉症の方などがアート制作をしている現場でした。
場所は川越城本丸御殿の近所だったような気がするのですが、記憶が定かではありません。とにかく普通では入らない場所なのですが、たまたま「なんだこの看板は?」とつられて入った所で「こんなとこに凄いアートがある!」ととにかくびっくりしたのです。ヴィヴィッドな色使いのカニの絵を今でも思い出します。
そこでは作品を制作すると同時に販売もしており、初めて「こういう形での障がい者支援の仕方もあるんだ」と学びました。障がい者の得意なことを、へそを曲げないよう上手に誘導して、販売できる作品に仕上げるのです。
忍耐力が無いうえ、専門教育も受けてないのでそういう作業自体私はできないのですが、好きな雑貨と彼らのアートをいつか結び付けたい、と思っていました。

アミュプラザで新たに出会った衝撃作「さとし君」
9月に福岡旅をした帰り、JR大分駅のアミュプラザでぶらぶらしていると、期間限定ショップ前でドキドキするアートを発見してしまいました。川越で出会ったヴィヴィッドなカニと同じ薫りがします。ショップに入ってよく見ると、やはり障がい者のアートです。
「この作品は『さとし君』っていうんですよ。」とお店の人が説明してくれました。

障がい者支援施設でアート活動をしているさとしさんが作った自画像。数万円しますが、間違いなく売れると思いました。アンディー・ウォホールのマリリン・モンローに匹敵するような色使いをタイルでほどこした作品に私は串刺しにされ、この機会を逃してはならぬ!とお店の方にこの施設の連絡先をお訊ねしました。
「臼杵の雑貨屋から連絡が入る、と前もって言っておいていただけるとありがたいです」
とお伝えし、後日連絡。お店の方が連絡を入れてくださっていて、10月に私の雑貨屋見学をしていただいて、私も施設見学をさせていただき、とんとん拍子でお話は進んでいます。

障がい者支援施設「めぶき園」
私が今回連絡を取らせていただいたのが、臼杵市の隣町、豊後大野市にある障がい者支援施設「めぶき園」さん。自閉症総合支援センター、子育て支援センターなどがある社会福祉法人「萌葱の郷」というグループの中で、療育活動の他に、特にアートにおいての生産活動を行っている施設です。
ライフステージ、個性、症状などを職員さん方が把握しながら、個人にあった生産活動やプログラムを提供されています。利用者さんは入所・通所と分かれており、症状や周囲の環境によっては人生最期の「看取り」までを行うパターンもあるとのこと。
そんな「めぶき園」の陶芸、手工芸、アート、エコなど多岐に渡る生産活動の中で、私の運営する「ケレシュ雑貨部」は手工芸課の機織り作品とまずはコラボすることになりました。

「めぶき園 x ケレシュ雑貨部」のオリジナル作品を作る
利用者さんがコツコツ作ってきた機織り生地は現在物凄い量に達していて、職員さん方が最終的にそれらを素敵な形に仕上げています。

ケレシュ雑貨部ではもともと海外のビンテージ生地、デザイナーズ生地、北欧生地などを買い付けており、彼らの機織り生地と組み合わせることで、本当に素敵な商品に仕上がると確信しています。現在、試しにいくつか制作していただいていますが、出来上がりが本当に楽しみです。完成したらインスタグラムなどでもお披露目していきます。

利用者さんや職員さんのスケジュールの範囲で作っていただくためどんどん生産されるわけではないですが、来年から少しずつ販売を始める予定です。私としては、好きな雑貨を通じて少しでも社会貢献に繋がるお仕事が始められることを、これまでとは違った新しいステップに感じています。そしていつか、この活動を小学生の同級生だった愛ちゃんに知ってもらって、彼女がお店に遊びに来てくれたら嬉しいなぁ、と思っているのです。
障がい者の自立支援、そして何より雑貨が好きな皆さん、来年の販売が始まったらぜひお店に作品を見に来てくださいね。

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