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「質素」が美味しい!今こそ学びたい臼杵の郷土料理

11 分前
読了時間: 6分

臼杵市に移住してくる方は、日本各地いろいろなところから来られていますが、臼杵の「郷土料理」についてはどのように感じているでしょうか?


大学時代は愛媛県松山市に、社会人になってからは水戸、狭山、川崎、浜松などに私は住んだことがあります。しかし、「郷土料理」というものに触れたのは、松山での「芋炊き」くらいしかなかったように思います。よそから来た者は住んでもなかなか郷土料理には出逢わないのですが、出逢ったからとて豪華さはありません。しかし、「芋炊き」は凄く美味しかったです。1回の食事であんなに里芋をバクバク食べたのは、後にも先にもあれっきりです。


一方、臼杵市の三大郷土料理といえば「きらすまめし」「黄飯(おうはん)」「かやく」です。

臼杵の三大郷土料理。黄飯、かやく、きらすまめし
ザ・臼杵の郷土料理!

その由来を聞くと、とにかく質素感いっぱいで切なくなります。

しかし、美味しいのです。

「それは筆者が五十路も半ばだからでしょう?」

と指摘されそうですが、私は小学生のころからこれらの郷土料理が好きでした。特に「きらすまめし」は丼いっぱいいけます。


そう、何度も言いますが、郷土料理はシンプルですが(だから?)、美味しい!


今回は、

「私の運営するゲストハウスのお客さんにも楽しんでもらえる郷土料理を!」

という思いで書く、臼杵の郷土料理レポートです。


ユネスコ食文化創造都市の「広め、繋ぐ」活動

以前当ブログでもご紹介したように、臼杵市はユネスコ食文化創造都市のメンバーです。


臼杵の醸造文化やそれが現在まで市民生活に根付いている事などが評価され加盟できたのですが、そのポジションを維持するためには「広め、繋ぐ」という活動が大切になってきます。結果、臼杵市では食文化関連のイベントが年間を通じて行われていて、「なんだか美味しそうなイベントがやたらある町」という印象を市外の方や移住者に与えているようです。


今回私は郷土料理の基礎を学ぶために、臼杵市が主催する郷土料理教室に参加しました。講師は日本料理屋さんの一つ「福わ内」の高橋さん。どんな内容だったのかご紹介していきます。

うすき郷土料理教室の案内
今回参加した郷土料理教室の告知。「広報うすき」は必読です!

ザ・臼杵の郷土料理

前述したように、「ザ・臼杵の郷土料理」は3つあります。

①    きらすまめし

②    かやく

③    黄飯

です。3つ共に切ない由来があるのですが、それは全部江戸時代の「質素倹約」のおふれからきています。

みんな真剣!郷土料理教室の様子
大根や人参のむいた皮もきんぴらに!捨てるものがほぼなかった料理教室

「きらすまめし」は、「きらす=おから」と、刺身をとった魚の端切れを「まめし=まぶし」たもの。直訳だと「おからまぶし」となります。どちらも捨てられておかしくないものですが、栄養価が高いので地元民に支持され続いてきたのでしょう。

きらすまめし
たっぷりのかぼす果汁は必須。酒のツマミに最適

「かやく」は「加薬」が語源のようで、「ご飯がすすむおかず」の意味です。臼杵ではエソという魚が獲れます。かまぼこや天ぷら(さつま揚げの大分弁)の原料になる美味しい魚ですが、小骨が多く小さな魚の為敬遠されがちでした。このエソのミンチを具材にしているのが「かやく」です。処理に困る魚が、ご飯がすすむおかずになるのですから、かなり凄い料理マジックです。

かやく
見るからに優しそうなおかずですが、実はごはん泥棒

最後の「黄飯」は「祝い事の時に食べられる赤飯が高価だったため、雰囲気を出すために作られた」という切なさの極みのような郷土料理です。しかし、よく見てください。なんだかパエリアのようで華やかに見えませんか?

黄飯
海鮮や鶏肉と一緒に炊けばきっとパエリアになる「黄飯」

クチナシの実を潰して煮出したものを炊飯時に使用するだけでこの明るい黄色になるのです。

使用方法はパエリアで使うサフランとほぼ同じ。サフランといえば1g数千円はする超・超高級品ですから、クチナシがいかに経済的に効果を発揮する素材なのかが分かると思います。

クチナシの実で黄飯を作る
これがクチナシの実。私も初めて見ました

このように「質素倹約」を旗印に改良されてきた臼杵の郷土料理の数々。その中でも今回の教室で作ったのは「かやく」です。


味付けも作り方もシンプル

今回「福わ内」の高橋さんが指示した材料とレシピは以下のようになります↓

かやくのレシピ
豆腐を一丁丸ごと使う大胆料理

材料も調理法もとにかくシンプルなのが分かっていただけるかと思います。

但し、この中で現在では手に入りにくいものが、前述したエソです。スーパーのお魚売り場で売っていることもありますが、それはラッキーな日です。見つからない時は鶏むねのミンチで代用してください。味は少し変わりますが、これはこれで美味しいです。

かやくの調理風景
エソも豆腐もガンガン鍋に加えていく

料理教室ではエソミンチバージョンと鶏ミンチバージョンを作って食べ比べたのですが、私が子どもの時に母が作ってくれていたものが、実は鶏ミンチバージョンということがこの時分かりました。

子どもの時に食べた母の味が、鶏ミンチバージョンを食べてふわぁーっとデジャブしたのです。


教室から数日後に、私も鶏ミンチバージョンを自宅で作って母に食べてもらいましたが、「美味しい、美味しい」と絶賛でした。自分がかつて作ったバージョンですから、母も懐かしく感じたに違いないでしょう。


ちなみに、かやくは臼杵市の給食でも黄飯と一緒に出されるセットメニュー。

別盛で食べても良いし、ごはんにかけて食べてもマナー違反ではありません。


体にも優しいし、子どもでも美味しく食べられるメニューなので、ぜひ移住者の皆さんにもご自宅でチャレンジしていただきたいです。


家庭によって塩梅が異なるのが郷土料理

臼杵食文化創造都市推進協議会というのが臼杵市にはあり、ここが発行している「掬ぶ」というストーリーブックがあります。私の知り合いがこの冊子の編集をしていて、それはそれは素晴らしい案内本に仕上がっています。

現在、8シリーズある中で「伝統料理」という冊子があるのですが、この中には臼杵三大郷土料理のレシピがあります。


読んでみると、今回紹介した「福わ内」のかやくと、冊子の中でレシピを教えてくれた「関乃家」さんのかやくはちょっと違うのです。大きく違う点は、福わ内さんでは砂糖を使っていますが、関乃家さんでは砂糖無し。料理屋さん間でもこの違いがあるので、家庭によってその味付けの塩梅はさまざまでしょう。移住者の皆さんも習った方によって材料やレシピが多少異なると思うので、自分の家庭にあった味付けで作っていただければと思います。そしてそれこそが「繋がる郷土料理」になると思います。


私の運営するゲストハウス「ウスキトラベルガイド」では、ゲストの方と一緒に朝食を作ることもしばしば。地元の味噌会社3社の味噌をローテーションしながらだんご汁を作るなど、「うすき体験」に力を入れたアクティビティーを行っています。

だんご汁作り
この日はハンガリー人のゲストとだんごを伸ばす

ゲストに合わせた塩梅で作った臼杵の郷土料理を、日本や世界各地から来るゲストに今後も広めていきたいと考えています。

だんご汁で朝食
子どもたちにも好評だった大分の郷土料理「だんご汁」

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