臼杵の酒場を飲み歩く「臼杵酒場放浪記」

「ちょっと言い過ぎでしょう」

と言われることが多いのですが、地元である大分県臼杵市を私は「昭和が薫るサン・セバスチャン」と勝手に呼んでいます。


サン・セバスチャンという町のあるバスク地方は、スペインとフランス二つの国が重なっているイベリア半島北部の地域です。サンティアゴ・デ・コンポステーラというキリスト教の三大巡礼地の一つにも近く、風光明媚な町が続くエリアでもあります。

サン・セバスチャンのコンチャ湾

特にスペイン領にあるサン・セバスチャンは、近年「美食の町」と呼ばれ、グルメを楽しむ観光客で溢れています。今年ブームになった「バスクチーズケーキ」の発祥の地と言えば馴染みやすいかもしれません。何せ人口16万人しかいない町に、ミシュランの三ツ星が数年前には3軒もあったほど。今でも必ず1軒以上は三ツ星店があり、「世界のレストラントップ10」にも必ずと言っていいほどこの町のお店がランクインされているのです。

食のレベルが高い地域なので、町なかのバルも軒並みハイレベル↓

スタイリッシュなピンチョスが並ぶ「セルコー」

こういうバルで1杯飲んで、写真のような素敵に映えるおつまみを食べると大体600~800円位。私は一人旅で三日三晩飲み歩きましたが、

「ワシが全部払っちゃる。それが旅の人に対する礼儀なんで」

というようなサン・セバスチャン版の「おいさん」に出逢い、タダ酒に浸ることもしばしば。

なかなか良い飲み旅でした。

こんなサン・セバスチャンと臼杵市の共通点が結構あるのを感じられたのが、11月に行われた飲みイベント「臼杵酒場放浪記」。まだ参加できていない臼杵市への移住検討者の皆さんに、「昭和が薫るサン・セバスチャン」を2週に渡ってご案内していこうと思います。

ハシゴ酒を楽しむ「臼杵酒場放浪記」

「臼杵酒場放浪記」は、それこそスペインのバルのようにハシゴ酒を楽しむ飲みイベント。3枚つづりのチケット(前売りで2400円)を購入し、登録しているお店でチケットを出すと、飲み物プラス1品をいただくことができます。

今回は22店舗の居酒屋、カフェバー、スナック、などが登録していたので、迷います。

ちなみに今年は11月20日と26日の2回行われたので、私は2枚(6軒分)チケットを買いました。

本当は旧友と一緒に行きたかったのですが、子育て世代の友人がこの時間帯に飲み歩けるはずもなく、一人飲みを満喫すべく出かけることに。 *以下、お店の敬称は省略させていただきました


女性の一人飲みでも心地よい「旬彩処 関乃家」

1軒目は辻にある「旬彩処 関乃家」。この日は結構ヘビーなお店を2軒予定していたので、1軒目はお腹にきっちり入れておきたくてこちらにしてみました↓

入店してしばらくすると、同じく酒場放浪記を楽しみにしていた女性グループも来店。

「待ってました!酒場放浪記」と女子会スタート!

オーナー夫妻で切り盛りするお店ですが、ご主人のご実家が隣接する八百屋さんということもあり、新鮮なお野菜がふんだんにお料理に使われているのもこのお店の特徴です。

野菜たっぷりのお料理やおしゃれな奥さまの雰囲気もあってか、女性のグループや女性の一人飲みに利用しやすい雰囲気の、スッキリとしたお店なのです。

私がチケットで選んだのは、カボスチューハイとケーク・サレ↓

この時期のカボスは黄色。フルーティーになってお酒にも合う

このケーク・サレはキッシュのような優しい味わい。しっとりとしていて前菜にピッタリです。10種類ものお野菜が入っているのも女性には嬉しい点。これで火がついてしまい、お店のおススメ「豚の角煮」も調子に乗って別注文。そして、驚きのサイズで登場↓

本当はこれにご飯を付けて食べたかったのですが、この後の2軒を考えると大変なことになりそうだったのでこちらを美味しくいただきました。角煮もさることながら、大根が美味しかった。流石、八百屋さん。

【旬彩処 関乃家】

所在地:臼杵市臼杵188

電話:0972-62-8081

フェイスブック


臼杵を代表する老舗「PUB ブーケ」

二王座の一角に位置する「PUB ブーケ」。私が子供の頃通った臼杵保育園は、このお店に隣接するお寺さんにありました。毎日このお店の前を歩いて通園していたので子供の時から知っていましたが、18歳で私は臼杵を出たので、今回がお初のチャレンジ↓

「パブ」と書いているので、イギリスのパブに馴染んでいる私はドアを開けてビックリ!

「ギネスがない!カウンターに赤いフカフカのクッションが付いてる!!まぶしい~!!!」


新宿でオカマバーに行ったときは、とにかく目潰しのような眩しさだけでしたが、コチラはいろいろなお酒がズラリと並んでいて、しかも静かで落ち着いています。一人でカウンターに座っても居心地よく、酔いつぶれてカウンターに寄り掛かったとしてもフカフカクッションがあるので顔に線が付いたりしません。隣に座った初対面の一人飲みの女性とぺちゃくちゃ話すなど、一人飲みでも全然OKな雰囲気なのです。


こちらの酒場放浪記メニューは、カクテル1杯となんと、マスターお手製「ウマイ」と噂のラーメン。

照明で綺麗に輝くカクテルに加え、最近ハマってしまった知多ウィスキーを飲みたいがために、知多と白州2種類のウィスキーを絶妙に合わせたハイボールを別注文。

ちなみにブーケのママMさんは、全国のバーテンダーが技を競う大きな大会で2位になったという技術の持ち主。Mさんの創る1杯、賞味する価値大です↓

そして、酒場放浪記で訪れている間その姿を見ることができなかったマスターは、裏で渾身の1杯を作ってくださっていたようです。

「どこかから大量の小麦が届いてきたのよ」

とママさんもビックリの、麺から手作りしたラーメンがこちら↓

さっぱりしたとんこつ味でお酒の後にはぴったりです。「最後に来るべき場所だった・・」とちょっと後悔するほど、酒もラーメンも五臓六腑に染みわたりました。このラーメン、通常飲みに行ってもいつあるのか謎なのだそうです。運が良ければ食べられるラーメンです。


【パブ ブーケ】

所在地:臼杵市二王座247

電話:0972-62-5904


老舗「田中酒店」では出会いがいっぱい

最後は新町にある老舗の「田中酒店」↓

私の実家の洋食屋にいつもお酒を納品してくれる酒屋さんで、私が子供の時からオーナーのおじちゃんは私のことを「愛ちゃん」と呼んでくれています。このお店の歴史は古く、おじちゃんに創業何年か尋ねても、「5代前の江戸時代」という感じで、正確な年代は不明なんだとか。

今回の酒場放浪記が始まる前、おじちゃんにメニューを聞くと日本酒が2合も飲めるコースがあり、「これは最後にしないと大変なことになる」と思い1日目の3軒目と決めていました。


角煮とラーメンで腹いっぱい、不安いっぱいの状態で田中酒店に到着。すでに出来上がっていた臼杵のおいさん達が大集合。昭和の薫りがします↓

私:「この写真、ブログにモザイク無しで載せますけど、大丈夫ですかね、皆さん?」

昭和のおいさんA:「おりょ、ブログに載せるちいよんで。こげん顔でいいんかのぅ・・(訳:え、ブログに載せるって言ってるよ。こんな顔で良いのかぁ)」

昭和のおいさんB:「アンタ、男前やけんいんじゃー。また女んじょうがよっちくるでー(訳:君はハンサムだからいいんだよ。また女性たちが寄ってくるよ)」

昭和のおいさんA:「そりゃ困るで、母ちゃんにしからるん。(訳:それは困る、妻に叱られるよ)」

昭和のおいさん達:「あはははー(笑)」

と本当に幸せそうな輪でした。

そんなおいさん達を魅了したのはやはり日本酒

グラスの縁を滴る感じが堪らない

私は大吟醸を飲めるAコース(1合)を選択。これがクセがなくさわやかな口当たりでグビグビいってしまいました。最近は麹の効いたフルーティーな原酒にハマっていましたが、やはり大吟醸の飲みやすさにはまいります。


もう一つの日本酒のコースは、なんと吟醸酒と純米酒1合ずつというボリュームセット。私は大吟醸の1合でノックアウトされましたが、吟醸&純米コースを選んでいたら無事に家に辿り着けたか怪しいものです。

そして田中酒店の1品は、奥さん手作りの「ブリの漬け」↓

前回は「おでん」でおいさん達の胃袋を鷲掴みに!

この漬けタレが絶品。お腹が空いていたら自宅からご飯を持ってきて上にのせて食べていたところです。


昭和のおいさん達と年齢性別関係なく楽しく会話し、楽しい時間を過ごしました。

後から気づきましたが、このおいさん達の輪の中に、私が小さい時から知っていたおいちゃんも潜んでおり、懐かしい出会いもあった田中酒店でした。


【田中酒店】

所在地:臼杵市臼杵650

電話:0972-62-2471

フェイスブック

*通常、田中酒店では角打ちはしていませんが、試飲ができるお酒があります


一人飲みもグループ飲みも楽しい臼杵

臼杵市の飲み屋さんは、グループ飲みはもちろん、一人飲みでも楽しめる場所がたくさん。この小さな町に山ほど飲み屋さんがある理由が分かるような気がしました。サン・セバスチャンのように一人でハシゴ酒しても心地よく過ごせるのです。

移住検討中の方で臼杵に下見に来るときには是非夜の時間も楽しんでみてください。地元の人との楽しい会話、貴重な情報を、人間関係まで築くことができますよ。


次回はこの酒場放浪記2回目のレポート。コスパの良い臼杵の酒場がさらに登場します。お楽しみに。


【関連サイト】

臼杵酒場放浪記(フェイスブック)