6月に入って、なんだか臼杵市街地の八町(本町、田町、畳屋町、掛町、横町、浜町、新町、唐人町)界隈で人々がソワソワ・ウソウソしています。
その原因は多分二つ。
① 祇園祭のお囃子の練習が始まった
② 夜市が始まった
江戸時代から続く臼杵伝統の夏まつり「臼杵祇園祭」。特に山車の当番をする八町に生まれた人間にとっては特別なものです。お囃子の鐘の音は、大人なら「ちょっと多めに飲んでも許される」、子供なら「ちょっと夜市で豪遊しても許される」と勘違いしてしまうほど開放的な雰囲気を作り出すのです。
今回は10年ぶりに体験している臼杵・6月の夜と、この伝統祭りに関連する事柄について書いてみようと思います。
30数年前、私の「うすき夜市」
今年は6月15日から7月13日までの毎週土曜日に「うすき夜市」が八町大路で開催されています。
私が子供の時(昭和50年代)は、この八町大路全体にアーケードが架かっていたので、七夕飾りもギッシリと並べられ、雨の日でも120%夜市を楽しむことができました。
子供が興奮する出店も昔はたくさんありました。私の記憶では金魚すくいとヨーヨーすくいが農協(現・臼杵ケーブル)の前に、まるしょく屋の駐車場の前に射的があったと思います。その他、焼き鳥や綿菓子などのお店も出て、本町商店街に並ぶ多くのお店も夜市特別出店を行うほど。実家から300メートルほどの距離にこのような楽園が繰り広げられていたので、私の土曜夜のスケジュールは熾烈を極めていました。
19:00-19:30 まんが日本昔ばなしを視聴
19:30-20:00 猛ダッシュしてカニ醤油で輪投げチャレンジ→金魚すくいの様子見(←ペット禁止令が両親から出ていたので見学のみ)→日高人形店へ花火をバラ買いしに行く(「う〇こ花火」など、駄菓子屋のように単品10円から買えた)→猛ダッシュで20時までに帰宅
20:00-20:50 ドリフの「八時だヨ!全員集合!!」を視聴
20:50-21:00 夜市の最後の余韻に浸るため、再度本町へ猛ダッシュ。とにかく本町をウソウソする
21:00 買ってきた花火を近所の子供と堪能(もちろん大人同伴)
というように激しい2時間でした。
現在の「うすき夜市」はイベントがたくさん
6月15日の最初の夜市の日は、朝からイベントが目白押し。最近はイベントも同日開催し、夜市を盛り上げているようです。
市内中心地にある「臼杵市観光交流プラザ」では臼杵マルシェが開催されました。
あいにくの雨でしたが、本丁の関青果さんは300円でお野菜詰め放題↓
この日一緒に出掛けた8歳の甥Tから
「袋、破れるんやない?」
とツッコまれるほどギュウギュウに詰めさせていただきました。特にズッキーニとジャガイモが美味しかったです。たくさんありがとうございました!
建物内ではハンドメイド雑貨や↓
パン屋さんのブースもあり↓
雨の日なのになかなかの盛況ぶり。大分や湯布院から出店されていた方が多く、珍しいお店をたくさん見ることができました。
コチラは体験コーナー「ワクワクタイル」に没頭するT。ピカチュウの色をこれで本当にいいのか最終吟味中↓
臼杵マルシェは夕方まででしたが、夕方からは「ちょい呑みコンサート」も開催されました。
美しすぎる綿菓子風景
この日の夜は整体の予約が入っていたので、夜市に出かけたのは20時半を回ってから(夜市は21時に終了)。夕方まで降り続いた雨の為か、雨の後で気温が下がったせいか、通りを歩く人も少なめ。でも昔からの子供用ゲームの盛り上がりは健在でした↓
子供の頃の私はカニ醤油で醤油の一升瓶めがけて(←母・K子からの指示)輪投げをしていましたが、現在は高村ふとん店横のスペースでおもちゃを狙って子供たちが大奮闘。
そして高村ふとん店の斜め前にあるカニ醤油ではなぜか行列↓
何かと思って覗いてみると・・
綿菓子!薄暗いオレンジ色の街灯の中で白く膨らんでいく美しいフォルム。しかもその様子を興味津々でジッと見つめる子供たちの表情が画になります。真剣に作るカニ醤油のCちゃんもまたアート。
出来上がった、大人の頭部よりも大きな綿菓子に歓声があがります↓
歓声とともに登場したカニ醤油・名物キャラのお母さん、Aさん(写真右)。
「今日はさみぃけん(訳:寒いから)、生ビールが売れんみたいで」
とのお言葉で、私の10年ぶりの夜市を締めてくれました。
「ぎょんさま」は子供の憧れ
市民には「ぎょんさま」と呼ばれる臼杵祇園祭。その歴史は深く17世紀まで遡ります。詳細については八町大路にある「メガネの豊福」さんのYさんの記述が素晴らしいので、リンクを貼らせていただきました↓ メガネの豊福さん作「臼杵祇園祭」
まさに市民目線の「ぎょんさま」が歴史と共に描かれていますので、特に移住してきて「ぎょんさまとは何ぞや?」と疑問をおもちの方は参考になさってください。
今年の当番町は浜町と新町で、6月いっぱいは各町でお囃子の練習が行われています↓
練習場所にはたくさんの子供たちが見学に来ています。私の甥と姪もほぼ毎日、新町の練習を見に行っており、2才の姪でさえ風呂で何か鼻歌を歌ってると思ったら「コンコンチキ」。その影響力の凄まじさを思い知らされます。
女性は山車に乗ることも、山車を曳くことも許されないのですが、私も子供の時はフライパンを片手に練習をしていたものです。八町の子なら誰もが憧れるもの、それが「ぎょんさま」なのです。
大人になって感じる「ぎょんさま」の謎
7月12日まで臼杵市観光交流プラザやサーラ・デ・うすきではぎょんさまに関連する展示が行われています。
八町の子供山車に付けられる「纏(まとい)」がズラリと並ぶ姿は壮観でさえあります↓
「纏」とはもともと江戸時代に各町にあった火消の旗印。これを振り上げてクルクル回している光景、ドラマなどで観たことありませんか? 実家は唐人町なのでそれ以外の町の纏をじっくり見たことはありませんでしたが、例えば横町(最初の写真の前から2番目)の纏のてっぺん、なぜひょうたんが鈴生りになっているのか?謎です。その他の町の纏のてっぺんの意味も気になります。今度各町の友人に聞いてみようと思います。
観光交流プラザにはぎょんさまの絵巻が通年展示(というか壁に転写)されています。見れば見るほどさらに謎が発生。
例えばこの唐人町の山車の後ろに付いてる台車。これは何なのでしょう?と疑問に思いながら前述したメガネの豊福さんのYさんの記述を読むと、山車で踊った人たちの楽屋だったとのこと。昔はエライ物を引っ張りまわしてたんですねぇ。
今は各町揃いの法被をきて山車を曳きますが、昔はふんどし!現在と変わることのない勢いと勇ましさが伝わってきます。でもコケたら痛そう↓
いつから今のような纏になったのか?また今のようなお囃子の演者たちはいつごろから山車で演奏を始めたのか?あぁ、謎だらけです。
「移住してきて今年のぎょんさまが初めて」という方は、是非お祭りが始まる前にこれらの展示とYさんの祇園祭に関する記述をチェックしてみてください。謎はいろいろありますが、初めてのぎょんさまでも充実した楽しみ方ができると思いますよ。
さて、個人的にはぎょんさまの中日でもある7月17日に行われる「仲松商店のかき氷復活イベント」にも興味があります。
唐人町にあった仲松商店は、40代~50代の人にとっては思い出の味なのではないでしょうか?現在は閉店していますが、ここのかき氷は口どけの良いふわふわ氷で有名でした。子供山車に参加したら最後に仲松商店のかき氷が食べられる、という大人との取引にまんまと乗せられ、どんな暑いぎょんさまでも子供の山車曳を頑張ったものです。
お囃子の練習と夜市が同時に楽しめるのもあと2回(7月6日は特別に夜市でお囃子が披露されます)。是非皆さんも土曜の夜、ウソウソしてみてください。
*次回のブログ更新は7月10日となります
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