以前、「臼杵のおいさん」というタイトルでブログを書きました(「臼杵のおいさん」の記事→コチラ)。
臼杵市に住む一定年齢以上かつ、ある特徴をもつ男性を「おいさん」と定義し、その生態をフィーチャーしたのですが、「おいさん」を知る臼杵市内外に住む方から「本当にその通りだ」という感想を多数いただきました。
一方、臼杵のおばちゃんはどうかというと、私の中では「財布をガッチリ握ったしっかり者」というイメージです。同時にお調子者のおいさん夫にほとほと呆れつつも、きちんと立てるところは忘れないという人も多く、上手に家庭を回しているという印象で、どこか抜けてる「おいさん」に比べると数段上をいっているレベルだと思います。
この臼杵のおばちゃんのしっかりした性格を目の当たりにすることが、臼杵に住んでいるとちょくちょくあります。
今回は移住者の方がそういった場面に出くわしても戸惑わないように「臼杵のおばちゃんの流儀」について語ってみようと思います。
「旅行帰りのご挨拶」でおばちゃんの流儀を堪能
旅行に行くとやはりお世話になっている方にはお土産を手渡したいもの。私も日ごろお野菜をおすそ分けしてくれた方や旅行土産をくださった方をリストアップし、先日東京に行った時にその方たちへのお土産を買ってきました。60代・Aさんにお土産を渡しに行った時のことです。
私:「Aさん、これ、この間東京に行った時のお土産。羽田でしか売ってなくて凄い美味しいみたいなんでどうぞ」
Aさん:「え!?いいの?うゎぁ、嬉しいわあ。」
ここまではよくある光景です。
Aさん:「みんなでいただくわぁ、ありがとう・・(帰ろうとする私を見て)あ!ちょっと待って、ちょっと待って!(猛ダッシュで家の奥に行き、なにやら持ってくる)これな、福岡の美味しいおかき。いっぱいあるけん、持って帰って(袋いっぱいどっさり手渡し)」
お土産を持って行って、それ以上のお菓子を貰って帰りました。
これこそが臼杵でよくあるおばちゃんの流儀「お土産返し」です。
大体、何かを持っていくと必ずこの一連の流れを体験することになります。さらに、持って行ったお土産より明らかにいい物を返される時もあり心苦しくなることもしばしば。
「臼杵のおばちゃんは借りをそのままにしない」
この一年で気付いた臼杵のおばちゃんの流儀の最たるものと言えます。
「お土産返し」は旅行土産をあげた時だけではない
話は旅行帰りのお土産だけにとどまりません。
同級生の子供が私の雑貨店のアクセサリーを気に入っていたので、プレゼントすることにしました。そのアクセサリーを友達の職場に持っていったときのことです。
友人:「わぁ、ありがとう!あの子喜ぶわぁ」
友達の職場に原付で行きヘルメット姿のままあがり込んでいたので、私がそそくさと帰ろうとすると
「ちょっと待って!」とまさかの例の流れが始まりました。職場にいざというときの為のお菓子なんて置いてないだろうと思ったのですが、
友人:「これな、今日イチゴ農家さんに貰ったんよ。めちゃくちゃ美味しいけん持って帰って。」
とアクセサリーより高価なイチゴを貰ってしまいました。
私の同級生はずっと臼杵生活。もう「おばちゃんの流儀」が身についているのです。
別の同級生のお母さんは、年代的にかなりのツワモノで、手作り料理のおすそ分けを持ってきてくれたご近所さんが
「もういいでー、気ぃ遣わんで。もう帰るけんなー(訳:もういいよ、気を遣わないで。もう帰るからね)」
とお土産返しをするりとかわし帰宅していたところを、自転車で猛追しお返しを渡したそうです。
その場で即お返しをする臼杵式の流儀。なにがそこまで臼杵のおばちゃんを駆り立てるのか?その心理を今度じっくり探ってみようと思います。
これがおすすめ!「おばちゃんの流儀」にピッタリなお土産返しの品
私がUターン移住して1年間、臼杵のおばちゃんの流儀を観察、推考するに、
「もしかしたら臼杵のおばちゃんは水屋の一角にお土産返しの品を常備しているのではなかろうか?」
と思うように。
パッとお土産返しが出て来るなんて、どんな時もあらゆるタイプの品を用意しているとしか思えないのです。私もこれに見習って、今ではお土産返しの為のものをいくつか用意しています。
そこで、最近臼杵に移住してきた皆さんやこれから臼杵に移住してくる皆さんにおすすめ!お土産返しにピッタリの品をご紹介します。
【その1】「今だけの品」はポイント高し!
「これ、今だけのもんで美味しいけん、持って行って!」
という言葉は、お土産返しをすんなりと受け取ってもらえる殺し文句でもあります。
例えば、久家本店の大吟醸の酒粕。期間限定品でしかも大吟醸なので香りも抜群!使い方も説明して渡したい↓
農産物はいつでも人気。ふきのとう、タケノコ、カボスは季節ものの定番の一つ。たくさん手に入ったらそれをお土産返しにおすそ分けするのも良し↓
【その2】「自分の好きなもの」でファン拡大
「この店のこの商品は超美味しい!」と自分が大好きなものをお返しにすることもおすすめ。特に相手がその商品を食べたことがない、というときなどは相手の世界観も広がることになるし、次回会った時に話がきっと弾みます。
ポイントは「万民ウケしそうな味」という点です。どんなにあなたが好きなものでも、タイ土産と言ってドリアンを渡されたら、貰った側の90%はちょっと困ります。この場合「この商品ならどんな人にも間違いなく好まれる」というものに限ります。
例えば新しく発売された、後藤製菓の臼杵煎餅・チョコレートコーティングバージョン。どの家にも置いてそうな臼杵市民が大好き臼杵煎餅ですが、新作なら味わった方もまだ少ないはず↓
【その3】自分で加工したもののおすそ分けは興味をそそる
誰しも「よその家庭の味」には興味があるもの。
例えば大量のジャガイモを貰った場合、私は大体芋餅を作ります。北海道の郷土料理で冷凍保存ができるので重宝します。一つはプレーンで砂糖醤油味に仕上げます。もう一つはチーズたっぷりのとろける芋餅。多分、年配の方は後者の芋餅はあまり作りません。ですので、私は年配の方ならチーズ入りを、若い方ならプレーンを渡します。「日ごろこれは作らないだろう」と思われるものをあげると結構喜んでくれるので、相手を見て判断するようにしています。
また別の私の同級生は料理が大好き。「新鮮な鯛が手に入った!」と言っては鯛味噌を練りに練ったり、自家製焼肉のタレを作ったりしています。何かの機会にそういった手作りのものを貰うと本当に嬉しいので(鯛味噌も焼肉のタレも自分では作らないので)、機会があれば同じことを他の人にもするようにしています。
「おばちゃんの流儀」は結構楽しい
「結構それ面倒臭くない?」
と先日関東の友人に会った時におばちゃんの流儀について解説したところ、このようなドライな感想をいただきました。しかしいつも美味しい物が家にあるのは自分のおやつとしても楽しめるし、美味しくて日持ちがするものを探すのも楽しいことです。何より人間関係ができた人からの頂き物に対するお礼なので、面倒でもありません。
この「おばちゃんの流儀」が、都会から移住してくる方にとっても楽しいコミュニケーションの一つになりますように!
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